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国内シリーズ No.1 北海道の鳥類を見る

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カワアイサ
シロカモメ
ホオジロガモ

訪問した地

第二次世界大戦後、ロシアが実効支配している日本領 国後島、択捉島に地理的(参照 地図)に極めて接近している知床半島の羅臼、野付半島、およびその沖の海上(国境線ぎりぎりまで)を訪問しました。 なぜ、北の玄関にこだわるのか? 詳しい生物学的理由や気象現象との関係は、後日、紹介いたしますが、ワシ、タカなどの大型猛禽類に関しては、北方四島や東(ひがし)北海道は、個体が単独ではなく、集団で越冬する世界でも唯一の地であります。 ですから極寒の知床半島を訪問することは世界中の猛禽類カメラマンの憧れであり夢なのです。 このことを多くの日本人は知りません。 実際に真冬になると、羅臼のホテルの70%の部屋は、外国人カメラマンで埋まっています。

国後島周辺の地図

海鳥の飛翔高度は極めて低い

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写真は、野付半島より羅臼岳を望遠で捉えたものです。 夕日を浴びた羅臼岳の、手前にある薄い流氷の上を飛ぶ一列になった海鳥群が水面近く(実際には高度10-20mぐらい、遠方なのでかなり低く見えるだけ)を飛翔しているのが見えます。 これは猛禽類に発見されることをなるべく避けるためと考えられています。 猛禽類が捕食できないような大型の野鳥(ハクチョウやガン)はV字になって大空を羽ばたいていますが、小型の海鳥の多くは、皆さんが思っているよりかなり低空を飛翔し海上を渡ってきます。 ですから海鳥の探鳥は、仰角の高い空ではなく、水平線近くを凝視しないと発見できません。 仰角の低い対象物は、海面からの反射光、水蒸気による揺らぎ、波やうねりによる遮断、つまり画質(S/N)が悪く、見通し(line of sight)できないという特徴があり、安全な伝播路と言えます。
唯一、海鳥が高度を変えるのは、陸地との出入りの時で、そのため猛禽類は、見晴らしの良い絶壁や岬で、下から上に舞い上がる小型の海鳥を待ち構えているのです。 地球岬のハヤブサは、渡り鳥のルート、時期、時間を学習して、水面から浮上する小型の海鳥を常に見張っています。

氷結した海面上を飛翔する海鳥
(野付半島から羅臼岳を撮影 2008年2月)

厳しい自然

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オオワシ、オジロワシ、カモメが乱舞する羅臼港北の岬
(2008年2月)

2008年はエルニーニョ現象の影響で久しぶりに流氷の多い年でした。羅臼港入り口にも流氷が押し寄せ、無数の海鳥が羅臼港北の岬に乱舞していました。 気温は、連日マイナス20度を下回りました。この季節の海上は、北風のため体感温度がさらに厳しく感じ、防寒服から露出している肌は痛く、そのうちに知覚が麻痺してきます。 2月の休日は、晴れた日も吹雪の日でも、日の出前から日の入り後まで、ある時は船上から、またある時は凍結した海岸を歩き回り、私は写真を休み無く撮り続けました。

野付半島の海岸には、氷結のため水中へ捕食に出入りできなくなり、死んでしまったアザラシの遺骸をいくつも目にすることができます。このことから、 遠くアリューシャン列島やベーリング海の孤島で育った海獣ですら絶命してしまう、真冬の氷結した北海道の海が、極めて厳しい自然環境であることを窺い知ることができます。 彼らの遺骸は、スケソーダラが不漁の近年には、オオワシ、オジロワシの重要な糧であることは言うまでもありません。

オオワシ、オジロワシの糧となるアザラシの死骸(2008年2月 野付半島)

カワアイサ

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野付漁港は防波堤に囲まれており、港の一角に凍結を免れているところがあります。 ここにシベリア、ベーリング海からやってきた海鳥が水中での捕食のため集まって来ます。 海鳥の多くは、魚や海草を主食としていますので、海面が氷結すると潜ることができず餓死してしまうため、このような氷結してない漁港内のスポットは重要なのです。 カメラマンにとっては、繁殖地のシベリアでは50mも近づけない野鳥を、岸壁から4,5mの距離に迫り、撮影できる絶好の撮影ポイントとなります。

写真は野付漁港で捕食をしている「カワアイサ」というカモの仲間です。海に居るのに「カワアイサ?」というのも変ですが、淡水、海水、両方の環境で生活することが可能で、北日本では海水域に多く、西日本では淡水域に多いのです。 オスは光沢のある緑の頭と濃紺の羽をもつとても綺麗な鳥で、メスは幾分、地味で茶色の頭をしています。 凍結した海に潜水し、水中の魚、甲殻類、貝を食べていました。 上嘴(くちばし)の先端が、下方に曲がったフックが着いており、確保した餌が逃げにくい構造になっています。 秋沙(あいさ)の由来は、諸説あるのですが、秋が早く来た秋早(あきさ)がなまったという説が有力です。

水上の鳥達の写真

文・写真 中島 功
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資料

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コンテンツ

プロファイル

中島  功
ナカジマ イサオ
1953年6月 東京都 生まれ
医学博士
  • 救急医
  • 研究者(情報通信)
  • 公認潜水士
  • フォトグラファー
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