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国内シリーズ No.1 北海道の鳥類を見る

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北海道の鳥(2)シロカモメ

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流氷が北緯45 度を割って南下し、中緯度まで到達する海域が地球上に存在し、それが唯一、東(ひがし)北海道だけで、その自然科学的な価値を多くの日本人は把握していない。

このオホーツク海の流氷と、それに伴って東北海道、国後・択捉島へ南下する鳥、海獣、そして人(アリュート:アイヌとは人種的に異なり、イヌイットなどのアリューシャン列島に定住する人種を指す、詳細はベーリング海3 カラフトウミガラスの話で紹介予定)は、海流、気象、生物などさまざまな要因が重なり合った、偶然、あるいは奇跡に近い自然の組み合わせで成り立っていることに我々は気づいていない。 いや、そのデータを与えられても読み取れる日本人は、専門家ですら100 名もいなかったと思う。 日本人が話題にする環境問題とは、悲しいことに総論である「地球温暖化」ばかりで、さまざまな自然科学の動き、微細な各論、相乗効果を解析化し、統合化し、環境の崩壊を危惧する力を未だ有していない。

このような広範囲の知識を組み合わせる統合的な思考の組み立ては、わが国の専門教育は昔から不得意としている。日本の専門教育は狭い分野の知識(技術)を与えられても、自然科学を統合化して、幅広く探求できる科学を提供しているだろうか?

日本には、レオナルド ダビンチ、メンデル、あるいはパスツールに匹敵する科学者は居るだろうか?

羅臼の価値を認め、ここを訪問する自然観察者やカメラマンは、なぜか外国人が優勢で、(資料もそのほとんどが英文)、多くの日本人が「オホーツク海の価値」を把握していないのは、このような文化背景が色濃く影響しているものと小生は思っています。

オホーツク海の流氷を理解するには、次の概要を知ることが第一歩であろう。このような視点を身につけるには、自然現象を捉える目を養うことが必要不可欠であることは言うまでもありません。

大きなポイントは4つで、1)アムール川(支配領域の雨と雪) 2)クーリング(大陸の低温度による融雪の遅れ) 3)深層水の流れ込み 4)オホーツク海に流れ込む鉄(Fe)であろうと、小生は勝手に思っています。

■ アムール川の水量

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アムール川はモンゴル国モンゴル国内、モンゴル高原東部のシルカ川とアルグン川の合流から生じ、中流部は満州(中国東北部)とロシアのシベリア地方との間の国境となっている。ロシアのハバロフスク付近で北東に流れを変え、オホーツク海に注ぐ。主な支流としてシルカ川・アルグン川・ゼヤ川・ブレヤ川・松花江・ウスリー川・アムグン川などがあり、全長は4,444Km(支流を含む)、世界8 位、流域面積は205 万1500Km²で世界10 位、川の水量は豊富で、栄養分にも富、さまざまな水産資源を提供している。

しかし、現在、中国国内では、汚染物質が垂れ流されており、その汚染物質は、日本人の目が届かないオホーツク海北部にアムール川として流れ込んでいる。

実際、吉林省吉林市で2005 年11 月に起きた石油化学工場の爆発事故で、支流の松花江に流れ込んだ有毒な大量のベンゼン化合物による大規模な汚染があった。

近年、オホーツク海の魚には奇形が多く散見されており、小生は、アムール川の汚染に由来していると考えています。話は、流氷に戻るが、アムール川の水量は、その支配域の降雨と積雪の多さで、間宮海峡(大陸とサハリン)に注いだ後、その多くは海流に乗って北上している。

流れ込む淡水の水量が極めて多いので、間宮海峡の海水塩分は薄く、このことは北上して海水が氷結しやすい条件となっています。

■ クーリング(浅い水深と大陸の低温)

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シベリア東部、オホーツク海から約500km 北にあるインディギルカ川沿いのオイミャコン町(北半球の寒極)は、地球上で人が定住する町で最も低い気温 -71.2 度を観測した地点であり、オホーツク海北部の大陸では、夏季の気温が低く、融雪が遅れ、極寒の冬を招くことが多い。 流氷の量(多い・少ない)は、夏季のこの地域(図では濃紺で示した地域)の気温に依存している。

この地域の気温低下の影響が秋まで続くと、海岸線で間宮海峡を北上した塩分の薄い海水は、この地では海底が浅いため、陸地の影響を色濃く受け、北上して冷やされ、表層で氷結します(インターネット上には、アムール川から凍りの塊が流れて来ると書いてありますが、それは古典的な考えです)。 一般に海では湖と違い、上下の対流があり、水が混ざりながら次第に深くまで冷えていき、全体が-1.8 度になってからようやく凍り始めます。 水深の深い海では氷結が起こらないか、もしくは、北極海のように相当量の負エネルギーを要します。

カムチャッカ半島は、水深の深い太平洋に対して防波堤の役割を果たし氷結を助長しています。氷結は時計方向に流れ、さらに季節風により徐々に南下しながら、成長を続け、大きな流氷群を形成します。 流氷は順送りに外力(季節風、海流、地球の自転に伴なう転向力)によって時速0.5-1km/h でサハリン東側を南下し、知床半島にたどり着きます。

12月初め、シャンタルスキー諸島(左円)やシェリホフ湾(右円)で氷結し、徐々に成長して、季節風と東サハリン海流の力で南下し、知床半島へ流れ着く

■ 深層水の流れ込み

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オホーツク北部で氷結に伴い海水の比重が増加すると沈降し、オホーツク海の底を這うように循環して局部的な海洋循環が発生する。 その一部はアリューシャン列島の中ほどから漏れ出て、北太平洋の中層水を形成する(図 黄色の流れ)。

これを補う形でアリューシャンから南下する親潮(この起源は北部太平洋の深層水)は、その一部がオホーツクに表層海流として流れ込み、反時計方向の東サハリン海流を形成する。

つまり、全地球的な海洋循環(1500 年のサイクル)の中で、その終焉となるベーリング海で深層水は上昇し、東カムチャッカ海流(親潮の源流)となり、その一部は、千島列島からオホーツク海に上述のごとく流れ込んでいます。

この結果オホーツク海の海水には、深層水の肥沃な成分(プランクトンや鉄(Fe)など)、そして1500 年前の同位元素炭素を多く含むことになります。

■ 飽和しない鉄(Fe)の量

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海水中の鉄(Fe)は、光合成やミトコンドリアの電子伝達系で重要な役割を果たしています。シトクロムc6 は、ヘムc(中心に鉄イオン)を1つもっている赤茶色のタンパク質です。

へムc を含むシトクロムにもいろいろあり、その働きの違いによりc1 からc8 までの記号がつけられています。

シトクロムc6 についても、数種の藻類・シアノバクテリアで3 次元構造がすでに解明されています。 みなさんが食べる昆布の赤褐色は、実は、この鉄とヨウ素に由来しています。

例えば夏季に、海水中に窒素、燐酸など栄養素が十分にあってもこの鉄がなければ、植物性プランクトンはエネルギーを生産できず、飽和状態となります。

オホーツク海には、1)アムール川からもたらす落ち葉由来のフルボ酸鉄、2)全地球的な海洋循環の終焉で、浮上してきた深層水がもたらす鉄、1,2)により最盛期の夏でも活動が飽和することなく(世界でも有数の)活発なエネルギー代謝を提供できる海域となっています。

このような水環境により藻類が根付き、藻類を食べる雲丹が豊富で、植物性プランクトン、動物性プランクトンを狙った魚影が濃く、海上では海鳥や海獣が魚を追うといった食物連鎖が成り立っています。

2月初旬、知床半島から羅臼側に南下する流氷は、角が当たってテーブル状になって、厚さも高さもない、これが3月に入ると厚さ、高さ、密度が顕著に増す。沖に見える島影は、ロシアが実行支配している国後島、停泊して流氷を調査しているのは海上保安庁の巡視船。 流氷上にオオワシ、オジロワシが5,6 羽日向ぼっこをしています。

■ シロカモメ

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大型のカモメで流氷と共に北海道に漂着する。 北アメリカ、ユーラシア大陸、グリーンランドなどの北極圏で繁殖し、冬は餌を追って日本に南下してきます。 羽の模様は、白色か、淡い褐色で個体差があります。 虹彩が黄色、脚がピンク色、姿が酷似する北極圏由来のワシカモメ(暗褐色の虹彩)とは接近できれば虹彩の色で鑑別できる。

また幼鳥が似ているオオセグロカモメは、虹彩が黄色、脚がピンク色と同じだが、下嘴の先にある赤いスポットの有る無で識別ができます。

流氷上のシロカモメ

雪の中を飛翔するシロカモメの幼鳥

脚のピンク、虹彩の黄色が同じなオオセグロカモメ(成鳥)

文・写真 中島 功
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資料

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プロファイル

中島  功
ナカジマ イサオ
1953年6月 東京都 生まれ
医学博士
  • 救急医
  • 研究者(情報通信)
  • 公認潜水士
  • フォトグラファー
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